パンが主食

学んだことのアウトプット+ポエム

『わかりあえないことから』を読んだ

この本はホッテントリで見かけたブログで紹介されていたように思う。どの記事だったかは忘れたが、良いこと書いてあるな〜と感じた(我ながら酷い)。良い文章に触れると、自然とその文章中で言及している本にも興味がいく。そんな感じでこの本を読もうと思った次第。

第一章 コミュニケーション能力とは何か?

伝えたいという気持ちは、伝わらないという経験からしか来ない

しばしば伝わらない思いをしているせいかとても納得。

第二章 喋らないという表現

著者考案の演劇授業のお話

第三章 ランダムをプログラミングする

無駄な動きにみる人間らしさ、演劇の知見とロボット工学のお話

第四章 冗長率を操作する

冗長率

一つの段落、一つの文章に、どれくらい意味伝達とは関係のない無駄な言葉が含まれているかを、数値で表したものだ。
(P.106)

冗長率を時と場合によって操作している人こそが、コミュニケーション能力が高いと著者は言う。少し分かるような気がする。聞き役に徹している場合は相槌や繰り返しなどの冗長な言葉によって、話しやすくなることもあるのではないだろうか。

第五章 「対話」の言葉を作る

さんづけ運動の先駆けの一つは資生堂

初めて知った。そういえば弊社も私のまわりではさん付けだ〜。

第六章 コンテクストの「ずれ」

筆者が大学で行った演劇教育にて

これまでの数年間で一番面白かったのは、理系のポスドクばかりがアルバイトで集まるファミレスという設定で、
厨房の中で高分子化合物だの非対称理論だの理系の専門的な話が延々と続けられるというものだった。
お皿は素数でしか出せないだとか、それぞれの店員にこだわりがあって、それ故にこの店はとても暇になっている。
(P.135)

やばい。設定から既に面白い。こんなことやってみたかった・・・。

第七章 コミュニケーションデザインという視点

コミュニケーションをデザインする

この節に出てくる患者のことを考えた病院づくりの話はまさに『デザイン思考が世界を変える』に出てきたものと同じだった。少し後に出てくるエンパシー(共感)という言葉からもデザイン思考を感じた。コミュニケーション×デザイン思考=コミュニケーションデザインといったところだろうか??

wonda-tea-coffee.hatenablog.com

エンパシー

この文章に出会っただけでこの本を買った価値があるように思う。

ここで言うエンパシーとは、「わかりあえないこと」を前提に、
わかりあえる部分を探っていく営みを言い換えてもいい。
(P.200)

第八章 協調性から社交性へ

本当の自分について

科学哲学が専門の村上陽一先生は、人間をタマネギにたとえている。
タマネギは、どこからが皮でどこからがタマネギ本体ということはない。
皮の総体がタマネギだ。
人間のまた、同じようなものではないか。
本当の自分なんてない。
私たちは、社会における様々な役割を演じ、その演じている役割の総体が自己を形成している。
(P.219)

これもいい表現。『ファシリテーション入門』でも似通った文章に出会ったっけ。

wonda-tea-coffee.hatenablog.com

その他一言感想

  • これ好き(ボディブローのように効く、寡聞にして聞いたことがない)
  • 著者は平田オリザさんと言う。何と本名。
  • 最後まで読むと「わかりあえないことから」という言葉が染み入った気がした。

総括

ざっくり言うとこの本は
・著者が演劇を通じて得たコミュニケーションに関する知見
・現代教育への提言
という感じだった。今現在国内におけるコミュニケーション教育に大して関心が無いため、あまり感想が出てこなかった。これは自費だな・・・。ただ、デザイン思考に近しい部分も感じたため、よりデザイン思考への関心が高まった。

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